疾患カレンダー「頭痛」/株式会社エバルス
頭痛は、日常生活の中でも経験することが多い症状の一つであり、日本人の4人に1人は頭痛持ちといわれています。市販薬で対処している人も多いですが、脳の重大な病気が隠れている場合もあり、たかが頭痛と軽く考えるのは危険です。
頭痛の分類
頭痛には色々な種類がありますが、原因によって「症候性頭痛」と「慢性頭痛」の2つに分けられます。
症候性頭痛
・「くも膜下出血」や「脳腫瘍」「髄膜炎」などの命にかかわる病気があり、その症状の1つとして起こる頭痛
慢性頭痛
・これといった原因がはっきりしないまま、何年にもわたって繰り返し起こる頭痛
・「片頭痛」や「緊張型頭痛」「群発頭痛」などが含まれる
症候性頭痛
慢性頭痛をもつ人は、症候性頭痛が現れても、"いつもの頭痛だろう"と勘違いして、放置してしまうことがあります。症候性頭痛は、原因となる病気によって特徴があるので、重大なサインを見逃さないようにすることが大切です。くも膜下出血
脳の表面の血管が破れ、脳を包む「くも膜」と「軟膜」の間に出血する病気。
寺病院背中の痛み
- 突然バットで殴られたような激しい痛みが起こる
- 手や脚のしびれや麻痺を伴うこともある
脳腫瘍
脳にできる腫瘍。腫瘍が大きくなると、痛みが生じるようになる。
- 弱い痛みから徐々に強くなる
- 痛みが和らぐことがない
- 朝方に起こることが多い
髄膜炎
脳や脊髄を包む「髄膜」に、ウイルスや細菌が感染して炎症を起こす病気。
- 副鼻腔炎、中耳炎、かぜなどをきっかけに発症する
- 発熱を伴い、突然吐くことがある
慢性頭痛
慢性頭痛は、いわゆる「頭痛持ち」を自認している方々で、頭痛に悩む人の90%程度がこの慢性頭痛といわれています。
片頭痛
疫学調査によると、日本人の約8%が片頭痛に悩まされているといわれ、男性よりも女性に多くみられます。たいていの場合、10〜20歳代ではじめてあらわれ、その後、いわゆる「頭痛持ち」に移行します。
片頭痛の症状
片頭痛が起こる仕組み
いろいろな説がありますが、何らかの原因で脳の内部や周辺の血管が収縮し、その反動で拡がり過ぎたとき、拡がった血管が直接近くの感覚神経を刺激するとともに、血管の周囲に炎症が広がり、痛みが起こると考えられています。
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片頭痛のきっかけ
- ストレスからの解放…ストレスが長く続いたあとにストレスから解放されると、血管が 急に拡張するため、痛みが生じます。
- 女性ホルモンの変動…月経や出産などで、女性ホルモンの分泌量が変動することも、片頭痛のきっかけになります。
- 人込みや強い光など…人込みや強い光、強いにおいなどが刺激になって、痛みが起こります。
- チョコレートやワイン…チョコレートの食べすぎや、ワインの飲みすぎで片頭痛が起こることがあります。
片頭痛の治療
根本的な治療法はまだ確立されていませんが、痛みを和らげる「解熱鎮痛薬」、血管の拡張を抑制する「エルゴタミン製剤」のほか、最近は、痛みに効果的に対処できる、「トリプタン」という薬が用いられます。
トリプタンは"痛み物質"の放出を抑え、血管を収縮させるとともに、血管の炎症を抑えることで、痛みを鎮める作用がある薬です。「のみ薬」や「点鼻薬」のほか、即効性の高い「自己注射薬」もあります。
緊張型頭痛
最も多いタイプの頭痛で、幅広い年齢層でみられます。無理な姿勢を長時間続けたときのような肉体的ストレスや、仕事上の悩みのような精神的ストレスによって起こる頭痛です。このタイプの頭痛は、午後になって疲れてくると痛みが強くなる傾向があります。
他の人に彼らの痛みを伝える
緊張型頭痛の症状
緊張型頭痛が起こる仕組み
緊張型頭痛の発症のメカニズムには、精神的、身体的ストレスや筋肉の緊張などが複雑に絡み合っていると考えられます。
- 身体的ストレス:「うつむき」や「前かがみ」といった無理な姿勢が続くと、首すじや肩、後頭部の筋肉が収縮し、「筋肉のこり」を招きます。その結果、硬くこった筋肉が周囲にある神経を圧迫して、頭痛を引き起こすと考えられています。
- 精神的ストレス:神経の緊張が毎日のように続くと、脳に備わっている「痛みのコントロール機能」がきちんとはたらかなくなり、筋肉が緊張していなくても頭痛を覚えるようになってしまいます。
緊張型頭痛の治療
緊張型頭痛は、身体的・精神的ストレスを背景としているため、心身両面の「過度な緊張」を取り除くことが治療の中心となります。
仕事や勉強で長時間、机の前に座りっぱなしのことが多い人は、こまめに休憩をとって気分転換をはかり、ときどき背すじを伸ばすなどして、筋肉をほぐすように努めます。1日の締めくくりに、ゆっくりとお風呂につかったり、首や肩をマッサージするのも効果的です。
痛みが治まらなければ、「薬物療法」も行われます。筋肉の緊張をとる「筋弛緩薬」、精神的な抑うつや不安を取り除く「抗うつ薬」や「精神安定薬」、痛みを和らげる「解熱鎮痛薬」などが用いられます。
群発頭痛
頻度は低いものの、20〜40代の男性に多く見られるタイプの頭痛です。
耐えられないほどの強い痛みが特徴で、夜中や明け方に突然起こることもあります。
群発頭痛の症状
群発頭痛が起こる仕組み
群発頭痛の起こる詳しい原因については、まだ明らかにされていませんが、片頭痛と同じように、頭部の血管の拡張が関わっていると考えられています。群発頭痛の場合は、目の後ろを通っている血管が拡張して炎症を引き起こすため、目の奥が痛みます。
群発頭痛の治療
群発頭痛の激痛は、「解熱鎮痛薬」を服用しても抑えられないことが多く、現在もっとも効果的な対症療法として「酸素吸入法」が行われます。併せて、群発頭痛の「薬物療法」では片頭痛と同様、「エルゴタミン製剤」が用いられますが、発作が起こってから服用してもあまり効果があがらないため、予防的治療に重点をおいた使い方をします。
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